遺伝子発現を視覚化
空間的なトランスクリプトミクス技術で「何が」と「どこに」を繋げる
細胞と組織サンプルにおけるその位置の関係は、疾患病理学を理解する上で重要です。空間的なトランスクリプトミクス解析は革新的な技術で、組織サンプルにおける全ての遺伝子活動を測定し、それがどこで行われいてるのかの位置をマップします。この技術はすでに新しい発見を導き、研究者がさらなる生物学の過程や疾患を理解する手助けとなります。
実験のながれ
新鮮凍結した組織切片を組織学用にイメージングを行い、RNAに結合するプローブが搭載されたアレイ上に置きます。組織を固定し、透過処理してRNAをリリースし、近隣のキャプチャープローブに結合させることで遺伝子発現情報を捉えます。キャプチャーしたRNAからcDNAを合成し、シーケンスライブラリーを調製します。ライブラリーはその後シーケンスを行い、データの視覚化をしてどの遺伝子が発現しており、どこにどれだけ発現しているのかを決定します。

技術ハイライト
Spatial Transcriptomics技術で産出したデータから、興味のある遺伝子を選び、元の組織切片上の位置情報を付加した発現情報を表示させることができます。全てのmRNAがキャプチャーされるので、1遺伝子だけ表示させるのでなく、数に制限なくあらゆる組み合わせの遺伝子を視覚化し、解析できます。
コントロールの視覚化
組織イメージの下にある調整バーを使って、組織イメージと遺伝子発現データの表示を変更できます。
スポットの透明度を変える
組織イメージの透明度を変える
遺伝子の同定
VISIUM空間的遺伝子発現ソリューション

さらなる探索
組織切片に関するアプリケーションでは、生物学を解明するために形態学的およびタンパク質情報が非常に重要です。イメージにバイアスのない遺伝子発現データを重ねることで、次のレベルの情報を手にすることができます。染色に補足的な情報を捉えることで、これまでにない深みで組織微小環境を理解することができます。

使いやすいソリューション
これまでの技術やサンプルの多くは、新鮮凍結組織に対応しています。10x Visiumの簡単で短縮されたプロトコールに従い、サンプルからシーケンス可能なライブラリーを調製します。

標準化されたツール
切片、H&E、そしてイメージングは既存の設備をお使いいただけます。10xからはアレイスライド、アッセイ、シーケンスおよび解析のインストラクションをご提供します。10xのソリューションは現在お使いの設備でツールを最適化できるように設計されています。

簡単で豊富な情報のデータ解析
Cell RangerツールでVisiumの産出データを、組織H&Eイメージに合わせて解析します。シンプルなユーザーインターフェースで、フレキシブルなデータ解析を提供します。
特集論文
組織微小環境における包括的な遺伝子発現を捉える
Spatial Transcriptomics技術を使って、生物学そして複雑な疾患の理解に必要な空間的な情報を加えることで、どのように研究者が複雑な転写産物の状況を理解しているのか、ぜひご覧ください。